今私が従事している巡回型ビルメンテナンスには仕事量は少ないものの危険な作業がいくつかある。
なかでも貯水槽関連の作業はしんどいものが多い。
貯水槽とは名の通り生活用水を貯めるタンクである。
・ほとんどのビルの屋上で見かける気がする。
水道局が管理している配管から給水管を通して地下の貯水槽(受水槽)に貯め、ポンプで引き上げて屋上の貯水槽(高架水槽)に水を送ってから建築物の各階の配管に水を送る。
受水槽の意味はビルやマンションのような集合体の中で各階が一度に水を使用しても供給不足にならないためで、一度屋上まで水を上げて高架水槽に水を貯める理由としては単純に低所からよりも高所から各階の水道に水を送る方が水を送りやすいみたいな理由であり、ポンプの技術が進化した現在では低い建築物では受水槽のみか受水槽すらない建築物も増えているらしい。
仕事の上での問題というと非常に重い蓋を開け閉めせねばならないところにある。
受水槽は地下にあるのだが階段で普通に行けるような場所に無いことが多く、大抵が地下ピットに存在する。
・良く見かけるであろう地下ピットへの蓋
蓋を開けて地下へ潜るという行為自体はワクワクするが、この蓋が場所によっては本当に重い。
コルセットが必要なんじゃないかと思うくらいに重い。
・こういう状況が十分に考えられる。
また、屋上にある高架水槽は屋上から外のタラップを登らなければならない場所にあることが多いのだが屋上という高所+吹きさらしの環境で梯子みたいなものを登るという行為自体が怖いし危険である。
・屋上で良く見かけるタラップ
上記のタラップですら十分に怖いが古いビルのタラップは囲みすら無いため手を滑らせた時の危険度が更に上がる
・右に落ちたら人生終了
実際に登るタラップは上の画像よりも長いため恐怖もリスクも更に高い。
安全帯は支給されていない。フルハーネス?なにそれ状態。
酷いビルになるとタラップが錆びたり歪んだりしている。もはや安全帯すら意味無い気がする。
難易度は低いけど失敗したら死ぬようなボルタリングを毎日やらされている気分になる。
なに見てヨシッっていってんだろな、と日々考えながらヨシして屋上のタラップを登っている。
遺書も無しに都内の古いビルの屋上から作業着を着た30代の男が飛び降りてきたら多分私であろう。
自ら命を絶つ予定は今のところまだないが。
30代低収入子供部屋おじさんの命など安いものである。